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代替不可能な遺伝子にも代役=iPS細胞作製法、マウスで成功−シンガポール(時事通信)

 山中伸弥京都大教授らが「人工多能性幹(iPS)細胞」を作るのに使った3種類の遺伝子のうち、最後まで代わりの遺伝子や化合物が見つかっていなかった「Oct4」も、別の遺伝子で代替できることが分かった。シンガポール・ゲノム研究所などの研究チームがマウスの胎児細胞で成功し、米科学誌セル・ステムセル電子版に22日発表した。
 iPS細胞は身体の多様な細胞に変わる万能細胞で、ヒトでは難病患者の再生医療への応用が期待されている。研究成果は、iPS細胞ができる仕組みを解明し、遺伝子導入法より安全で作製効率が高い、化合物だけによる作製法を開発するのに役立つとみられる。
 Oct4の代わりになると分かったのは、細胞核内の受容体を生み出す遺伝子「Nr5a2」。受容体は特定の分子と結合して機能するたんぱく質だが、この受容体はこれまで、結合する分子や役割が不明だった。
 今回、マウス胎児細胞に3遺伝子をウイルスを使って導入する際、Oct4の代わりにNr5a2を使うと、iPS細胞や、受精卵(胚=はい)から作る「胚性幹(ES)細胞」で、多様な細胞への分化能力を担う遺伝子「Nanog」を働かせる役割があることが分かった。
 国立成育医療センターの阿久津英憲・生殖技術研究室長の話 iPS細胞を作るには、Nanog遺伝子の発現の誘導が重要であることが改めて確認された。新たな「役者」が出てくると共通のシステムが分かり、体細胞からiPS細胞ができるメカニズムを解明する手掛かりとなる。 

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